「この道わが旅〜すぎやまこういち音楽の旅路〜」を見て感動しました〜
「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽で有名な ”すぎやまこういち”さん。
今年の9月30日にお亡くなりになりました。
12月11日(土)にNHKで放送された「この道わが旅〜すぎやまこういち音楽の旅路〜」がとても良かったので、あまりネタバレにならない程度にご紹介します。
NHKのアーカイブ映像や、堀井雄二さんのインタビュー、オーケストラでのドラクエ音楽など見どころいっぱいでした。
是非NHKオンデマンドで視聴できる様にお願いします>NHKさん
第一章:すぎやまこういち 音楽の原点
音楽の原点
1931年生まれのすぎやまさん。
学生時代に初めての作曲の依頼、子供のためのバレエ「迷子の青虫さん」。
進学は音大を考えていたが、家にピアノが無くて練習で出来ないので、あきらめて東京大学に。
大学を卒業し文化放送に就職、その後開局前のフジテレビに移籍し、番組ディレクターとして当時画期的な音楽番組を世に送り出す。
(本人アーカイブ映像)
最初に買ったレコード。
ポップスに初めてふれたのは、大学に行ってからのxxxxx
(インタビュー)
橋本淳(作詞家)
ヒット番組の生みの親に
それは「ザ・ヒットパレード」。
1959年から放送され、多くの人気者を輩出した伝説の番組。
サ・ピーナッツの大ヒット曲「恋のフーガ」。
宮川泰がアレンジを解説し、1967年の第18回NHK紅白歌合戦の映像が流れます。
第二章:グループサウンズ 興隆の中で
ザ・タイガースとの出会い
京都を中心に活動していたバンドが、「ザ・ヒットパレード」への出演を機にすぎやまさんと出会う。
そのバンドに、すぎやまさんは「ザ・タイガース」という名前を与える。
当時ビートルズのサウンドに影響を受けていて、思いついた名曲が「シーサイド・バウンド」。
作曲活動に専念するためにフジテレビを退社。
学生街の喫茶店は、すぎやまさん本人の指揮です。
(本人アーカイブ映像)
ビートルズの素晴らしいこと。
(インタビュー)
橋本淳(作詞家)
森本太郎(元ザ・タイガース)
(映像)
シーサイドバウンド/ザ・タイガース(1963年)
花の首飾り/ザ・タイガース(2013年)
亜麻色の髪の少女/島谷ひとみ(2002年)
学生街の喫茶店/GARO(1973年第24回NHK紅白歌合戦)
第三章:多彩な作品の数々
多彩な作品 一挙公開
スターウォーズ、宇宙戦艦ヤマトなど映画やアニメ主題歌がオーケストラ音楽になってきました。
すぎやまさんは「劇場版・科学忍者隊ガッチャマン」の音楽を担当し、本格的なオーケストラサウンドで劇伴を作り上げ、シンフォニック系劇伴作曲家として確固たる地位を確立。
(映像)
帰ってきたウルトラマン(1971年)
スカイヤーズ5(1971年)
かぜふくたびに〜クムタムのうた(1975年)
CM楽曲 傑作選
小梅ちゃん
ハウスバーモントカレー(ひできかんげき)
東京・中山競馬場 G1競争のファンファーレ
劇場版・科学忍者隊ガッチャマン
サイボーグ009「誰がために」
劇伴作曲家としての活躍
富野由悠季さん(アニメーション監督)が「機動戦士ガンダム」の後に手掛けた「伝説巨人イデオン」の音楽を杉山さんが担当し、この作品の世界観を支えていた。
(インタビュー)
富野由悠季:アニメーション監督
(映像)
「伝説巨人イデオン」より
復活のイデオン・圧倒する力
カンタータ・オルビス
コスモスに君と(戸田恵子さんが、すぎやまさんの前で歌う)
第四章:55歳 新たな冒険へ
元祖プロゲーマーと自称するほど、ゲームが大好きなすぎやまさん。
ゲーム会社に送ったアンケートがきっかけで、開発中だった「ドラゴンクエスト」の音楽を担当することになる。
ドラゴンクエストとの出会い
ドラゴンクエスト開発途中での音楽変更。
1週間でドラゴンクエストの8曲を作り上げた。
55歳から担当し、シリーズ音楽で作曲したのは500曲以上。
(本人アーカイブ&インタビュー)
ドラゴンクエストの音楽を担当するきっかけ
35年間貫いたこだわり
ドラクエ音楽のこだわり”聴きべりしない”
クラシック音楽の様に、ゲーム音楽は何回聞いても飽きない様に作るのが正解だろう。
しかし、当時のゲーム機は同時に3音しかならせない!
すぎやまさんは頭に鳴り響くオーケストラ音楽を3音に絞り込み、革新的なゲーム音楽を作った!
(インタビュー)
本人の開発話
堀井雄二(ゲームデザイナー)
(映像)
DQ序曲のオーケストラとゲーム音楽
ドラクエ第1作 全8曲メドレー
ドラクエⅠの曲は8つしかなかったんですね〜
1週間で作り上げた全8曲のメドレーをゲーム画面とナレーション入りで。
序曲には、5分+55年分が詰まっています。
(映像)
- 序曲
- ラダトーム城
- 街の人々
- 広野を行く
- 戦闘
- 洞窟
- 竜王
- フィナーレ
(本人アーカイブ映像)
ゲーム音楽は付随音楽である。
映像と一緒になって世界観を作り出す
ドラクエ音楽がもたらす効果とは
セリフの無いバレエ音楽の様に、ゲーム音楽は見ている人がわかりやすくなる役割を担うものだと考えていたすぎやまさん。
情報量が少ないファミコン2Dゲーム時代に、音楽が補完してお客様の心を動かしていた(三宅)。
(インタビュー)
堀井雄二(ゲームデザイナー)
三宅有(エグゼクティブプロデューサー)
ドラクエシリーズ名曲選
(映像)
- ジパング(Ⅲ)
- ピラミッド(Ⅲ)
- ジプシー・ダンス(Ⅳ)
- エーゲ海に船出して(Ⅵ)
- 魔法のじゅうたん(Ⅶ)
- ムドーの城へ向かう(Ⅵ)
- 敢然と立ち向かう(Ⅵ)
「ピラミッド」はDQXのピラミッドでも使われています。
すぎやま音楽がもたらしたもの
一言でいうと、ゲームに命を吹き込んでくれた(堀井雄二)。
主人公である自分に聞こえてくるイメージ(三宅有)
(インタビュー)
堀井雄二(ゲームデザイナー)
三宅有(エグゼクティブプロデューサー)
ドラクエ生みの親 堀井雄二 イチオシの名曲
鳥が飛ぶときあの曲が流れて、ほんとにちっちゃい鳥なんだけど壮大に感じた(堀井雄二)。
Ⅲ(1988年FC)
Ⅷ(2004年PS2)
Ⅺ(2017年PS4)
と、順に音数が増えていく様子が映し出されます。
3音だったものがオーケストラに!
ドラクエⅢの”おおぞらをとぶ”(ラーミアの曲)
第五章:最後まで愛したオーケストラ
ドラゴンクエストの楽曲は、プロのオーケストラならどこでも演奏できる楽器編成になっています。
それはオーケストラ音楽を知ってほしいという、すぎやまさんの願い。
(インタビュー)
矢部達哉(東京都交響楽団 ソロ・コンサートマスター)
最後のお別れの曲は ”この道わが旅”
番組の最後は、「ドラゴンクエストⅡ」より”この道わが旅”
ああ、この曲か・・・(涙)
と思い出しながら、オーケストラの演奏を我が家のDolby atmosで堪能しました。
(インタビュー)
矢部達哉(東京都交響楽団 ソロコンサートマスター)
一度コンサートに行きたかったな〜
先程の ”この道わが旅” が収録されているこちらのBlu-rayを早速購入しました!
2013年発売なので、特典映像にDQXの「序曲」と戦闘時の音楽(フィールド戦闘とボス戦)が入ってます。
すぎやまさんは1931年生まれ。
2年前に亡くなった筆者の父と1つ違い、父と同じ時代を生きた人なんだな〜と感慨深いものがあります。
父もドラクエ大好きで、10までやってました(笑)。
すぎやまこういちさん
素晴らしい音楽を私たちにたくさん届けて頂き、ありがとうございました。
ご冥福をお祈りを申し上げます。