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MQA-CDハイレゾ再生対応DACを購入する前に確認しておく2つのこと

2020年4月10日

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今までハイレゾ音源をあまり聴いたことがないのですが、MQA-CDの音が良いというので聴き比べ用CDを購入してみました。

収録されているのは「スピニング・トー・ホールド」「Blue Lagoon」といった中学生時代に聞いていた懐かしい曲!

同じ曲が収録されている「通常CD」と「MQA-CD」が各々1枚、計2枚で1,080円とお得な価格設定です!

でもMQA-CDをハイレゾ再生するには専用のDACを購入する必要があるんですね!、無料ではMQAのハイレゾを聴くことができません(涙)

まあ好きな曲が入ったCDを安く購入できたので後悔はしていませんが、事前に良く調べておけばよかったと反省。

結局MQA-CDの聴き比べができないので、CDとハイレゾ音源の聴き比べをしてみたら、なんと違いが良くわかりません(笑)。

スピーカーとヘッドホンがハイレゾ対応していないのが原因?

MQAのハイレゾは一味違うの?

単純に耳が悪いだけ?

と中途半端な状態になってしまったので、こんな事にならない様にMQA-CDを購入する前には、

  • 自宅の環境でCDとハイレゾの違いがわかるか
  • 自宅のオーディオ機器はハイレゾ再生に対応しているか

といったことを確認しておく事をおすすめします。

MQA音源にはハイレゾのデータが2回折り畳まれている

MQA-CDは、CDプレーヤーではCDとして再生でき、MQA対応機器ではハイレゾとしても再生できるディスクメディアで、最大352.8kHz/24bitのハイレゾデータが入っています。

ハイレゾデータのサイズを小さくするために、データは「圧縮」ではなく「折り畳み」と表現されていて、「オーディオ折り紙」と言われています。

この「オーディオ折り紙」を元のハイレゾデータにするには2回の展開する必要があり、これに対応した機器(デコーダー)が「MQA対応」と呼ばれます。

下図は私なりの展開イメージです。

MQA音源の展開

 

MQA対応は「コアデコーダー」「レンダラー」「フルデコーダー」の3種類で、ハイレゾ再生には「コアデコード機能」が必須

MQAのハイレゾ音源を聴くにはデコーダーが必要で、次の3種類があります。

  1. コアデコーダー:MQA音源を認証し、一回目の折り畳まれた部分だけをデコードする
  2. レンダラー:二回目の折り畳み部分を展開するする
  3. フルデコーダー:コアデコーダーとレンダラー両方の機能を持ち、MQA音源を元のデータにデコードする

これら3つのうち、どれか1つの機能を持っているものを「MQA対応」と呼んでいます。

MQA音源をハイレゾ再生するには、MQA音源を認証してデコードする「コアデコード機能」が必須で、「コアデコーダー」または「フルデコーダー」があればハイレゾ再生ができますが、「レンダラー」だけではハイレゾ再生することはできません

※コアデコーダーだけの場合は、88.2/96kHzのハイレゾ再生までしかできません。

MQAコアデコーダーはMQA音源を認証して一回目の折り畳み部分をデコードする

MQAコアデコーダーは、MQA音源を認証して一回目の折り畳み部分だけをデコードします。元のデータが44.1/48kHzなので、その2倍の88.2/96kHzが出力されます。

roon(1.5以降)、Audirvana Plus 3(for MAC)、AUDIRVANA PLUS FOR WINDOWS 10 といった音楽再生ソフトがMQAコアデコード機能を搭載していますが、全て有料アプリです。

MQAレンダラーは二回目の折り畳み部分だけデコードして元のデータにする

一回目の折り畳み部分がデコードされた88.2/96kHzのデータを元にして、二回目の折り畳み部分を展開して元のMQA音源(176.4/192kHz以上)に戻します。

MQA音源を認証してデコードする機能がないので、MQAレンダラーだけではMQA音源をハイレゾ再生することができません。MQAコアデコーダーと組み合わせて使う必要があります。

iFi Audioの xDSDmicro iDSD BL はMQAレンダラーです。

MQAフルデコーダーはコアデコーダーとレンダラーの機能を持ちMQA音源を元のデータにする

MQAフルデコーダーは、コアデコーダーとレンダラー両方の機能を持ち、MQA音源を折り畳む前のハイレゾ音源を再生します。

探してみるとMeridian製品しか見当たりませんでした。一番安価な AUDIO EXPLORER 2 で3万円弱、最近発売された Meridian 218 が125,000円とそれなりのお値段です。
※2020.04.10追記:AUDIO EXPLORER 2は発売終了しているため、現在購入できるものは価格が高騰しているようです。

MQA対応DACを購入する前に確認しておく2つのこと

MQA DACは高価なものが多いので、購入後に「CDとの差を感じられず自分には不要だった!」とならない様に、購入前に次の2点を確認しておくことをおすすめします。

  1. 自分のリスニング環境でCDとハイレゾを聴き比べて違いを確認する
  2. 自分の再生機器がハイレゾ再生に対応しているか確認する

です。

1.自分のリスニング環境でCDとハイレゾの音の違いを確認する

CDとハイレゾの音ってどう違うのか、聴き比べしたことがありますか?

同じ曲で聴き比べる機会ってあまり無いですよね!

CDとハイレゾの差が感じられないと、MQA DACを購入してもその良さを十分に感じることができないかもしれません。

オーディオショップで聴き比べしても、自宅とは再生機器や部屋の作りなどのリスニング環境が異なり同じ様に聞こえるとは限らないので、自分のリスニング環境で聴き比べることをおすすめします。

聴き比べる方法としては、

  • 聴き比べ用の無料音源を使う
  • 所有しているCDのハイレゾ音源を使う

という方法があります。

聴き比べ用の無料音源を聴く

Sonyや2Lのホームページに用意されている聴き比べ用の無料音源はダウンロードできるので、USBメモリやメディアサーバーの音源データを再生できるアンプがあれば簡単に聴くことができます。

Sonyのお試し用ハイレゾ音源(圧縮音源との比較)

2Lの”HiRes Download – test bench”(CD/MQA/DSDなど)

私の所有するAVレシーバーは、メディアサーバー(NAS)の音楽データを再生する機能があるので、それを使ってハイレゾ再生してみました。

関連記事:DENONのAVレシーバーでハイレゾを聴く NASとUSBメモリを使う方法

所有しているCDのハイレゾ音源を聴く

CDと聴き比べるなら、レコチョクe-onkyo music などのハイレゾ音源販売サイトで聴きたい曲を購入するか試聴しましょう。

レコチョク だと曲によっては FLAC96kHz/24bit と AAC128/320kbps の両方があるので、この2つの聴き比べができます。

但し、webサイトの音源をストリーミングで再生することになるので、パソコンやスマホをアンプに接続して聴くか、ヘッドホンやPCスピーカーで聴くことになります。

私は、ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー(YMO)TAKANAKA(高中正義)を聴いてみましたが、違いはよく分かりませんでした(笑)。

ヘッドホンとスピーカーがハイレゾ対応ではないこともあるのですが、聴きわけできるほど耳が良くないんでしょうね。

2.自分の再生機器がハイレゾ再生に対応しているか確認する

ハイレゾを聴く際にはアンプやレシーバーだけでなく、スピーカーやヘッドホンといった音が出るところもハイレゾに対応していないと、ハイレゾの良さを十分に引き出すことができません。

日本オーディオ協会は、アンプ、スピーカー、ヘッドホンについて40kHz以上の高域周波数を再生できるものをハイレゾと定義しています。

一般社団法人日本オーディオ協会のハイレゾ定義と運用

CD再生(20Hz~20kHz)を前提に設計されたスピーカーやヘッドホンだと、ハイレゾの高域再生能力が不足している場合があり、実際に我が家のスピーカー(1988年製 SX-311)は30kHz、スタジオモニター用ヘッドホン(2011年製 HA-MX10-B)は28kHzまでしか対応していません。

比較的安価なハイレゾ対応スピーカーでは、FOSTEX P804-SONKYO D-412EXJBL 4312M II WX あたりが評判良いですね。

今持っているヘッドホンの後継機種が(HA-MX100-Z)がハイレゾ対応なので、聴き比べ再チャレンジ用に購入検討中です!

まとめ

MQA-CDをハイレゾ再生するには、有料のデコーダーが必要です。結構高価なものが多いので、事前に自宅のリスニング環境で、

  • CDとハイレゾの違いがわかるか
  • オーディオ機器はハイレゾ再生に対応しているか

ということを確認しておきましょう。

現時点では、Meridianの AUDIO EXPLORER 2 を使うのが一番安価にMQA-CDのハイレゾを聴く方法ですね。

CDとの聴き比べをするなら、日本のROCK&POPSROCK&POPSJAZZクラシックの聴き比べ用CDが安価なのでおすすめです。

最近はカーナビもMQA-CDに対応し始めているので、自宅じゃなくて車の中で体感するのが先になるかもしれませんね〜